車内☆恋愛

「そろそろバイク寒ィな」

「そなの?」


あたしはきょとんと尋ねる。


「風が冷たくて超痛ェんだからな」


少し怒ったような口調でいう。

あたしは笑う。


「璃南寒くない?」

「寒くないよー」

「じゃ、しっかり掴まれよ」


お兄ちゃんみたい……

あたしは心のなかでまた笑う。


「どこ行くの?」

「んー、買い物?」

「やったーっ!」

「なんも奢んねーかんな」

「え。」


あたしはわざと不機嫌そうな声を出す。