『一度きりの人生転がるように〜』 「あ。」 いきなり携帯が鳴り出す。 白いスマホ。 あれは理恵子のだ。 机の上に置かれたスマホはヴッヴーと軽快なリズムを刻む。 それによって少しずつ位置がずれる。 『誰かのくれる自由はいらない〜』 …長いな。 電話なのか。 スマホはまだまだ唄う。 あの有名人の曲は途切れる気配がしない。 相手もよく諦めないなぁ。 いったい誰なんだろう。 私が確認しようと腰をあげたとき…… 「あんくんっ!!!!」 「はぁっ!?」