マンションの前の道路に、黒猫が一匹、横たわっていた。

その傍らには、一輪のダリアの花。


あぁ、やっぱり。


死骸でも有効なんじゃないか。


僕は昨日の満月を思い出しながら、頬を伝う涙をそのままに、目前の猫の死骸を見つめていた。








「にゃあ」と何処かで猫が鳴く。







-END-