猫の鳴き声で目が醒める。
すでに外は明るく、朝を知らせていた。

隣を見ると、瞳子は温もりを残して居なくなっていた。

すでに起きているのだろうか。


「瞳子」


寝室を出て、名前を呼んでみるが返事がない。

ただただ、僕の声は虚空に吸い込まれた。


「瞳子」


もう一度、呼ぶ。

いつもなら、「どうしたの」なんて顔を出す瞳子が、いない。

僕は不安になって、部屋を飛び出した。