夕暮れ時の紅い太陽が、二人を照らす。 一人で遊具で遊んでいた少年が、母親の元に駆け寄ってきた。 「ママ……寝てる?」 いつの間にか、泣き疲れて、彼女は眠っていた。 「もう少し、寝かせてやってくれるか?」 唇に軽く人差し指を押し当てて、俺は少年にお願いした。 少年は、何も言わず、母親の顔を覗き込む。 「こんなかおで寝るママ、はじめてみた」 少年は、視線を母親から俺へ移した。 純粋無垢な瞳が、じっとこちらを見つめている。 不意に、少年はニコッと笑った。