そして…ついに同窓会当日。
 
重い足取りで会場に向かう。
 
「…ママ?」
 
下から声がして目をやると、心配そうな顔で息子…祐季が自分を見つめていた。
 
「ママ‥どこかいたいの?」
息子はぎゅっと私の手を握りながら問う。
「…んーん。どこも…痛くないよ?」
「でもママ、くるしそうだよ?」

図星をつかれた気がした。
子供は素直に心を読んでしまうのだ。

私ははふっと笑みをこぼした。
「大丈夫。ママは大丈夫よ」
 
息子に言っている言葉なのに自分に言い聞かせているように聞こえた。