「分かったわ…祐季の様子を見て来るから」

「俺は、リビングにいるよ」

私は、すぐ側の階段を上り、息子の部屋へ向かった。
ドアには「ゆうきのへや」と書かれたプレートがぶら下がっている。
私が、息子のためにデザインし、作ってあげたものだった。

ゆっくりとドアノブを回し、押し開ける。
部屋の中は真っ暗で、廊下の電気の明るさが、一筋の光の道となって、息子のベッドへと伸びていた。
 
淡い光に照らされた息子の顔は、穏やかだった。
可愛らしい寝息を立てている。
その顔を見ると、私は安心して、自分の寝室へ向かった。