ズキン、と胸が痛む。
 
「誰から電話だったんだ?」
振り返ると、そこに立っていたのは風呂上がりの夫、尋だった。
 
「あ…高校の時の友人の…真由、覚えてる?」

尋と私は幼馴染みだった。
そして、クラスは違えど、同じ高校に通っていた。

「ああ……あの子か。それで?」
「今度の日曜日に同窓会があるから……来なさいって」
 
しどろもどろになってしまう。
尋は、昔好きだった人を知っているのだから。

もしかしたら、行くな、というかもしれない。

そんなことを考えていた。
 
「んー…そうだな、日曜日は俺は忙しいから行けないけど……祐季を連れて行っておいで」

「行って来て…いいの?」

「別に悪いことでもないだろ?」

尋の表情は、穏やかだった。