「ん……」
 
次の朝。
カーテンの隙間から差し込む光に俺が目を覚ますと、琉の姿がどこにも見当たらなかった。

きっと、俺が眠っている間に静かに出て行ったのだろう。
 
ゆっくりと体を起こす。
ふと、横をみると、ベッドサイドテーブルの上に、淡く湯気を立てるコーヒーが、白い紙と共に置いてあった。
 
紙を手にとり、目だけで読んだ。
読み終えると、俺は立上がり、例のアルバムに挟み込んだ。
 
再びベッドに戻り、腰掛ける。
自然と自分の手が、コーヒーカップを手に取っており、一口、飲んだ。