「祐也……」
「何?」
「大好きだったよ……」
「琉……」
 
私がいえる、精一杯の気持ち。

過去形になってしまった言葉。

まだ、胸に残る気持ち。
 
抱かれている間だけ、私たちはあの頃に戻っていた。
 
今度こそ、私は、祐也……貴方から卒業できるのね。
 
そっと絡めた指に、力が入る。
今度は、忘れようとしなくていい。

想い出として、持っていていい。
 
「琉……いい?」
「祐也……来て」
 
囁く様な貴方の声。

昔とちっとも変わらない。

大好きだった。






大好きだったよ……