祐也の唇は、あの頃と変わらず優しかった。

ずっと、ずっと触れたかった。
 
「……んっ…祐也……」
「琉……もうこれで全部終わりにするから……今夜だけ、琉を抱かせてくれないか……?」
 
私は少しためらって、ほんの少し、首を縦にふった。
 
 
 
 
 
 
 
散らばった服。
軋むベッド。
部屋を満たす二酸化炭素。
 
「んっ……ふぁ」
「琉……」
 
まさか……こんなに月日が経ってから、祐也に抱かれることになるなんて、思ってもみなかった。

あの頃、触れた滑らかな肌は、月日が経っても変わらない。