「それは……」
 
雨の音が、急に聞こえて来た。

ノイズのように、彼の言葉の邪魔をする。
 
「……初めて気付いたんだ……目の前から居なくなって初めて……琉――
 
 
 
雨の音が五月蠅い。

だけど、聞こえていた。

彼が言った――言葉。
 
 
 
「……どうして……どうして今ごろ言うの……何で……」
 
 
本当に、何で。
祐也、貴方は……。