「話ってそれだけ?」
祐也は、切替えが早い。
場の雰囲気も何のその、だ。
…全部分かってる。
「ぅん。これだけ。あ、先行っててくれる?」
「……分かった」
そう言うと、彼は体育館のドアを開けて、中に入って行った。
足音が反響して、段々と遠ざかってゆく。
全く聞こえなくなると、私はその場にしゃがみ込んだ。
座ったコンクリートの上は、少し冷たかった。
本当は聞こえていた。
さっき、彼が言った言葉。
本当は聞こえていたけど、あえて聞こえないふりをしたのだ。
抱え込んだ脚と体の間に顔を埋めるようにして、下を向いた。
自然と涙が零れた。
祐也は、切替えが早い。
場の雰囲気も何のその、だ。
…全部分かってる。
「ぅん。これだけ。あ、先行っててくれる?」
「……分かった」
そう言うと、彼は体育館のドアを開けて、中に入って行った。
足音が反響して、段々と遠ざかってゆく。
全く聞こえなくなると、私はその場にしゃがみ込んだ。
座ったコンクリートの上は、少し冷たかった。
本当は聞こえていた。
さっき、彼が言った言葉。
本当は聞こえていたけど、あえて聞こえないふりをしたのだ。
抱え込んだ脚と体の間に顔を埋めるようにして、下を向いた。
自然と涙が零れた。

