「結局、祐也を落とす事できなかったけど、祐也は友達だよ。
そりゃ、色々苦労したけど。
友達と喧嘩したのだって、半分以上は祐也のせいなんだし。
そのせいでリスカなんてやっちゃったしさぁ?
責任取って、友達でいろッ!」

言い終わった私は、目を細めて笑った。

 
私は、うまく笑えてる?
 

そればっかりが気になった。
祐也は、ただ突っ立っていた。
その表情は、ぼやけてよく見えなかった。
 
「卒業、おめでとう」
 
私は、言葉を繰り返した。
「さよなら」が言えない代わりの別れの言葉だった。


 
「……――」



「ん?何?」
「……何でもない」