「……以上、150名」

卒業生全員の名前が呼ばれ、それぞれの手に卒業証書が手渡された。

手に感じる微かな紙の重みは、私にとって鉛のようなものだった。

3年間という、長いようで短い月日。

きっと、私は成長したと思う。
 
 
 
校長が、祝辞を述べている。
いつも集会や、何かの式では、この校長の話が、何よりも煩わしかった。
今もそれは変わらないが、それも今日でお終い。
もう、どこかで聞くことも無い。

多分。

それに、今日は聞いてあげられる余裕がない。
考える事がたくさんあるのだから。
 
私は窓を見つめた。