拍手と、吹奏楽の演奏が響く中、私たちは体育館に入場した。

「これより、第42回卒業証書授与式を行います」

体育館に響く教頭先生の声。
とうとう来た、この日。

複雑な気持ちで、イスに腰掛けていた。
これが終われば、すべてが終わる……。




『卒業式終わったら話あるから、ちょっと付き合ってよ?』

『今じゃダメなわけ?』

『ぅん……お願い』

『仕方無いなー。分かったよ』



 
この式が始まる前に、祐也と話した。
彼は、面倒臭そうにしていたけど、了解してくれた。