「これから予行練習するので――」
体育館に響く先生の声。
相変わらず元気だなぁなんて考える。
からからと並べられたイスに座って、ステージを見ている。
卒業証書授与の練習。
飽きるから、コレ。
何人かが、私の目の前を通って行く。
泣きそうな顔が目についた。
卒業証書授与くらいでは、いくら私だって泣かないのに。
あーゆーのを感性豊かとかっていうのかな。
「…藤 琉」
「はい」
いつの間にか私の番になって居て、返事をして立った。
皆が歩いていった道を、繰り返し歩く。
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