――とうとう手に入らなかったなぁ。
 
彼は、私を好きにならない。
だけど、想っているくらいなら……と思ってきたけど。
セフレから始まった私たちのこの関係は、結局恋には発展しなかった。
所詮、そんなものなのかもしれない。
仕方ないことなんだろう。
私ばっかり、好きになってしまって。



あははっ……馬鹿みたい。
 
 

「では終わります」
「きりーつ」

寝ぼけ眼のクラス委員長の声と共に、教室の皆が立つ。

「ありがとうございましたー」

そして、再び席に着く。
 
この教室とも、あと10日か。
 
嫌いだったこのクラスを離れるのが、少し寂しい気がしたのは、卒業というイベントのせいだと思った。