ガタガタと椅子が音を立てる。
その音が静かになった頃に、担任は口を開いた。

「今日は、卒業式の練習のため、登校してもらいました。9時より始めるので、ショートホームルームが終わったら、椅子を持って体育館に移動してください」
 
べらべらと喋る担任の話を半分聞き流しながら、私は祐也を見て居た。
 
結局叶わない恋をしていたけど。
離れれば、彼女ができれば、この気持ちを落ち着かせることができると思って居たけど。
卒業となると、少し寂しいと感じるのは、少し変なのだろうか。
 
思えば、かなり引きずった、と思う。
この気持ちは結局、無駄になってしまった。