―――気付けば、時間はあっという間に過ぎていた。 日が傾き始めている。 今いるのは、初めての場所。 少し思い出せた。 でも、そろそろ帰らないといけないかも。 座ってたベンチから立ち上がって、歩き出す。 なるべく人がいない道を歩く。 やっぱり、こうして外にいると、あたしを見て逃げる人はいる。 それは前から変わってないこと。 悲しいし、辛い。 …でも。 前と変わったことがある。 今あたしには、逃げずに一緒にいてくれる人がいる。 それが、すごく力をくれるの。