二人で家にいるのが心細く感じた。

今までは一人でいても何も感じなかったのに。


だから私はこう言った。



「ねぇ、避難所行こうよ」



いつも冷静な私が、この時ばかりは冷静さを欠いていた。


家にいても安全だろうに。

避難所に指定されている近くの中学校に行こうと提案した。


おばあちゃんはどっちでもいいと言う。


私も正直、自分で言っておきながらどっちでもよかった。



でも、余震が続いていて何だか家が潰れそうな気がした。

実際には潰れなかったけど。



だから私は避難所に向かうことにした。



お菓子と二人分の飲み物とホッカイロをバッグに詰め込み、座布団を持つ。


私はスカートの下にジャージを履き、マフラーを巻いた。

寒かったしコートは学校だから、確かダウンコートを着ていった気がする。


普段にしてみれば、ものすごく怪しい格好だった。


でもそんなことは考えていられなかった。