「せーのっ!!」
クラスの男子一同の声で、透の上に男子生徒の山が出来る。
苦しげなうめき声を上げ、多綺に助けを求め手を伸ばす透を見て山口が呟いた。
「いーのか泉。助けなくて。あいつ、死にかけてるぞ」
多綺は読んでいた本から顔を上げ、透を見る。
少しの沈黙。
いつもの表情の奥に呆れた光が宿ったのを感じ、透は助けてもらう事を断念した。
「…いい薬だろう」
―――――…やっぱり。
ぽつりと言うと多綺は再び本に目を戻した。
クラス全員がにやりと笑う。
「お許しが出たな」
視線を透に戻し、一筋の汗を流しつつ小さく苦笑する山口の一言と同時に、男子達の山は更に大きさを増した。
透の叫び声が響く。
そして教室は静まり返り、山口は一人十字を切った。
――――――アーメン。
クラスの男子一同の声で、透の上に男子生徒の山が出来る。
苦しげなうめき声を上げ、多綺に助けを求め手を伸ばす透を見て山口が呟いた。
「いーのか泉。助けなくて。あいつ、死にかけてるぞ」
多綺は読んでいた本から顔を上げ、透を見る。
少しの沈黙。
いつもの表情の奥に呆れた光が宿ったのを感じ、透は助けてもらう事を断念した。
「…いい薬だろう」
―――――…やっぱり。
ぽつりと言うと多綺は再び本に目を戻した。
クラス全員がにやりと笑う。
「お許しが出たな」
視線を透に戻し、一筋の汗を流しつつ小さく苦笑する山口の一言と同時に、男子達の山は更に大きさを増した。
透の叫び声が響く。
そして教室は静まり返り、山口は一人十字を切った。
――――――アーメン。