出会ったのは春。
桜が咲き乱れる中、彼らは青葉第二中学に入学した。
一体この先に何があるのか、どんな事件が起こるかも分からずに、ただ、不安と期待を胸に膨らませ。
朝霞透は、これから3年通う青葉中学の新しい教室に足を踏み入れる。
新しい一歩。
小学校からの繰り上がりの友人達と共に、教室ではしゃぐ。
新しいクラスメート。
新しい教室。
教室に入ってきた担任は女性で、男どもの何人かがその若い先生に向かってひゅうと口笛を吹いた。
朝のHRの時、後ろの席の幼馴染みの一人、後藤が透の肩を突ついた。
「おい、透。知ってるか?」
振り向いて後藤に目を向け、透は眉を寄せ何だと言う顔をする。
「あそこに座ってる眼鏡かけた奴。分かるよな。あいつさ、入学試験トップだったんだとよ」
幼さが残る見慣れた後藤から目を外し、その指の先を追う。
それが始まり。
透が目を向けた先にいるのは、光が差し込む一番端の一番後ろの席に座る、一人の少年だった。
ただぼーっと外を見ているのか、定まらない目線を窓の外に向け、何か特別な壁を作っている。
「名前は何つったけ。…あ、そうだ!泉…とか言ったな」
「……へぇ」
透はさして気に留めていないように、本当は大ありな気を悟られないように。
泉とかいう奴から視線を外した。
桜が咲き乱れる中、彼らは青葉第二中学に入学した。
一体この先に何があるのか、どんな事件が起こるかも分からずに、ただ、不安と期待を胸に膨らませ。
朝霞透は、これから3年通う青葉中学の新しい教室に足を踏み入れる。
新しい一歩。
小学校からの繰り上がりの友人達と共に、教室ではしゃぐ。
新しいクラスメート。
新しい教室。
教室に入ってきた担任は女性で、男どもの何人かがその若い先生に向かってひゅうと口笛を吹いた。
朝のHRの時、後ろの席の幼馴染みの一人、後藤が透の肩を突ついた。
「おい、透。知ってるか?」
振り向いて後藤に目を向け、透は眉を寄せ何だと言う顔をする。
「あそこに座ってる眼鏡かけた奴。分かるよな。あいつさ、入学試験トップだったんだとよ」
幼さが残る見慣れた後藤から目を外し、その指の先を追う。
それが始まり。
透が目を向けた先にいるのは、光が差し込む一番端の一番後ろの席に座る、一人の少年だった。
ただぼーっと外を見ているのか、定まらない目線を窓の外に向け、何か特別な壁を作っている。
「名前は何つったけ。…あ、そうだ!泉…とか言ったな」
「……へぇ」
透はさして気に留めていないように、本当は大ありな気を悟られないように。
泉とかいう奴から視線を外した。