少し悲しげな声と、抱きしめられている力でわかった 「はっきり答えをだすよ、あたし」 「そうしてくれるとありがたい」 自分の気持ちにも中沢くんにも向き合わなきゃ。 「…できれば、思い出してほしいな」 「思い出す?」 「なんでもないよ。図書室行こうか」 「そうだね。」 図書室に入るまで、手は繋がれたままだった。 「里沙、デートしよ」 「へっ?」