「マツさん、あたし着替えるから、家に入っとくね~」


そう言い残して、家に入った。




「あの人は…、中沢…蒼様じゃあ…」


マツさんがこんなことを言っていたなんて、家に入っていったあたしはもちろん、知る由もなかった。




なんか最近、頭の中にはずっと中沢くんがいるような気がする。


大好きな本を読んでいても、あまり集中できない。


「あー、もうなんかヤダ!」


本を机に置いて、ベットに倒れこんだ。

ずっと、心のなかのモヤモヤした気持ちは消えなかった。