泪嘩疾走記ーレイカシッソウキー

その人は黒いマントを羽織っており、一瞬この付近でよく見かける熊かとも思ったが違った。





風に乗って来た匂いは紛れも無く人間の血の匂いだった。




「嫌な匂いだ……。」




レイはしばし考えた。


あいつを助けるべきか否か……。



あいつが怪我をしているのは間違いない。

でも、怪我をしたいきさつがもし厄介事だったら。






彼女はとにかく厄介事が嫌いなのである。




でも放っておけば狼が匂いを嗅ぎ付けてこちらにやって来るだろう……。



それも困る。








しばらく悩んだ末に、彼女は怪我をしているその人を担いだ。