「これでも呑むか。生徒が亡くなった時、生徒の家族が亡くなった時に呑んで来た、“見送り酒”だ」



「優香たちの時にも呑んでたでしょ?今日は金曜日だし、3人で思う存分、呑みなさい」



母親に言われ、俺たち3人は父親が用意した氷のグラスにウイスキーを淹れ、無言で一気呑み。

ビールや焼酎、最高でも25℃の酒しか飲まない俺や匠は喉が焼けるような感覚に舌を出した。



「もう、2杯目は焼酎な」



父親はウイスキーを片付け、焼酎の瓶を持って来た。



「悪酔いしそ…」



弱音を漏らす匠に頷きながら、俺はウコンの力をコソッと飲んだ。