ホッとしながら中に入り、優香・俺・優太・匠の順に最前列へと座った。

父親が俺と匠に代わり、生徒たちを並ばせて、説明をして居る。

職員用の更衣室で着替えた喪服の胸ポケットから出したハンカチを優香に握らせる。

優香は溢れそうな涙を拭うと、渇いて荒れてる唇を噛んでる。

俺は後ろに座る保に財布を渡して自販機までパシらせると、自身のクラスの生徒が騒いでる。

俺は立ち上がり、生徒たちへ近付いた。



「中学生じゃないんだ。少しは静かにしなさい。同級生の子が亡くなったんだぞ?騒ぐ前にきちんと見送りなさい」



俺は口をつむんだ生徒を見渡し、戻って来た保と席へと戻った。