優太がノックをすると、ゆっくりとドアが開いた。



「…優香ちゃん。来てくれてありがとう…」



ドアを開けてくれたのは、亜弥のお母さんだった。



「赤根高校の教師の豊嶋樹です」



「同じく、豊嶋匠です」



「娘がお世話になりまして。
どうぞ…」



中に案内され、私は優太と2人に続いた。

縁ちゃんたちは、廊下で待ってるみたいだ。

草介さんが、亜弥の顔に被された白い布を外すと、樹・匠・優太は、涙目で手を併せた。

3人が壁際に下がると、亜弥の両親に、肩を抱かれながら、「声を掛けてあげて」と言われた。