病院に着き、一旦、立ち止まって呼吸を整えた私の前に、匠・優太・樹・保・灯ちゃん・縁ちゃんの順番に来た。



「足、速すぎ;;」



匠が膝に手を付きながら言う。

私は「亜弥が…亜弥が…」と、呼吸を乱した優太のシャツにしがみ着く。

優太は「ちょっと…落ち着けっ」と、私の肩に手を置いた。



「何があった?」



「亜弥…感染したんだって…性病に…」



「ん。それで…?」



「病院を飛び出したらしくて…車に轢かれて……死んだって…ッ…」



優太は顔を蒼くしながら私を見下ろし、「嘘だろ?」と呟く。