静寂なリビングが怖い。



『亜弥…、病院から飛び出したらしいんだ。そこにたまたま車が現れて…―――』



「亜弥――ッ!!」



「「「『優香ッ!!?』」」」



私はみんなを無視して家を飛び出した。

携帯で草介さんに病院の名前を聞き、財布を持って来てない私は、ただ、ひたすら走った。

“『亜弥、亡くなったよ…』”

嘘だと思いたかった。

大切な人がいきなり、私の前から消える。

そんな恐怖が、私には何よりも怖い。

両親が亡くなった時を思い出すと、耐えられない。

信号待ちの時、震える足を叩き、気を持たせた。