義母親の誕生日を、優香が覚えてたからだ。

俺は「覚えてたのかよ」と、ビックリしながら優香を見ると、「うん」と、窓の外を見つめながら頷いた。



「いつも誕生日プレゼントくれてたし…今年は何かしないとね」



優香はガムシロをコーヒーに入れながら呟く。

案外、優香は義母親や義父親を嫌ってないのかも知れない。

ただ、接し方や話し方に迷っていたのかも知れない。

反抗してるのは樹にだけだ。

俺は今更その事に気付き、心の中でため息を付いた。

優香は「優太もプレゼント考えなさいよ」と言って、コーヒーを半分、一気に飲んだ。