ここで優香の日誌は終わった。

他の生徒については、終業式まで書かれていたのに、俺が勝手に書かなくなったんだけど。

日誌を引き出しにしまい、鍵を締めて、3Aの授業に向かった。

2人分の教科書を持ちながら教室に入ると、中込と話してる優香と目が合った。



「豊嶋、中込。新しい教科書、取りに来い」



「はーい」



中込はふざけたように手を上げて、優香と教科書を取りに来た。

優太から聞いたように、本当に2人は上履きを履いて居なかった。

休み時間に来客用のスリッパを取りに行くように伝え、俺は数学の教科書を開いた。