「俺のクラスの豊嶋優太に聞きました。このビラを撒いた生徒は“嘘”だと自供したらしいです。
後、言わせて貰いますけど、生徒を信じず、職員室で騒いで処分を決めようとする矢口先生が、匠先生に“新人が口を挟むな”と言う権利はないと思いますよ――ッ!!」



「なっ――!!」



目を大きく開き、言葉を失くした矢口先生から紙を奪い、椅子に座った。

落ち込む平松先生に、「事実無根ではありますが、妹が迷惑をお掛けしました」と頭を下げた。

…まぁ、本当は事実だけどな。

平松先生に笑い掛け、俺は紙を見てため息。

優香を、どうにかしなければならない。