俺が「よろしく」と告げると、樹は「わかった」と返して来る。



「あ、そうだ」



「まだ何かあるのか?」



「今日は優香と食事して帰るから、“ご飯はいりません”と、お義母さんに伝えて下さい」



「…了解」



樹は優香の名前に反応してたが、冷静ぶって去って行く。

教室に入り、亮平に「優香について情報あったら教えてくれ」と言って、俺は机につっぷする。

優香と違って、頭もそこそこ良い俺は、授業を受けなくても、教科書を見れば、テストには影響がない―――……。