―――私の名前は豊嶋優香。

2年前は、河原ーカワハラー優香。

私の両親が、飛行機事故で亡くなり、引き取り手のなかった私たち双子は、校長の豊嶋大ーマサルーに引き取られた。

優太の担任、豊嶋樹と、新任である体育教師の豊嶋匠の親でもある。

今で大好きだった豊嶋先生たちを、拒絶し始めたのは、“家族”になった瞬間だった―…。

私は後始末をする男をほかって、シャワーを浴びた。

シャワーから出れば、男と引き換えに、ベッドには3万が置いてある。

3万を今日の収入が入ったブレザーのポケットに、無造作に入れて、私は支払いの済まされたホテルを出た。