涙に包まれた体育館が、優太が大きな声で口を滑らせた為、また騒然とし始めた。

優太は「以上で、答辞とさせて頂きます!;;」と、壇上から駆け降りて来た。



「「あの野郎……」」



俺と兄貴は小声で呟き、座席に小さくなって座る優太の元に走った。



「――フゴッ!;;」



しかし、兄貴は理事長である兄貴を掴まえた。

首に腕を回された兄貴は窒息してるのか、青ざめた顔で引きずられ、壇上へと拉致られた。

俺は“しくった!”と言わんばかりの優太の頭を小突き、優香を見に行く。



「「「『優香ちゃん、どういう事なの!?』」」」



クラスメイトに取り込まれた優香を救出し、俺は職員席に戻る。