俺は匠と先に学校へと向かう。

優香が樹と通ってるし、俺も電車通学を止めた。

定期代も浮くし。



「今日でお前と顔を合わすのも最後だな」



「生徒に手を出すなよ?誰かさんみた……」



ーーゴンゴンッ

俺が遠回しに樹の事を言ってると、勢い良く窓を叩かれた。

冷や汗をかきながら、窓を見れば、優香の手を引いた、腹黒い笑みをした樹。



「余計な事を言う前に、俺らも遅れよ(笑)」



樹は後部座席に乗り込みながら、俺の頭を叩いた。

俺が頭を擦りながら振り返ると、樹が「恨むなら、勝手にオデッセイを誘拐した灯に言えよ?」言った。