上履きを履いて居ない。

亜弥も履いてなかった。

…何でだ?

俺は気になりながらも教室に入ると、「おはー」と、親友の亮平に声を掛けられた。

亮平は優香と同じ族に所属してる。

こいつなら何かを知ってるかも知れないと、「おはよう」と返しながら訊こうとすると、二つ折りにされた紙を渡された。

《中込ーナカコメー亜弥と豊嶋優香は援交をしてる》

そう書かれ、2人が男と腕を組みながら、ホテルへと入ろうとしてる写真。

二枚ずつ貼られた写真は、2人とも違う男だった。

“汚い金”…
樹が言った言葉の意味が、少しわかった気がした。