樹が「用件を、窺えますか?」と言う。

私が樹の顔を見上げると、頭を撫でられた。

“大丈夫”と口パクをしながら、私の頭を撫で続ける樹。

けど、その手はすぐに止まった。



「花塚ゆかは、優香たちと同じように、私の大切な孫なんだ。
成長を見届けて来た分、ゆかの方が、可愛く思えるのも事実でな…。
申し訳ないが、残りの学園生活を謳歌させる為にも、優香と優太には、転校なりして貰いたい。
ゆかがいとこだと、気付く前に」



「ふざけんなっ!!俺らはこの高校でずっと過ごして来たんだぞ?なのに何であんたの孫の為に俺らがっ!??」



優太は怒りを露に叫んだ。

樹も「納得が出来ませんね」と返す。