周りの視線を気にしてか、祖父は「乗りなさい」と、運転席へと乗り込んだ。

優太・私・樹と順に乗り込むと、エンジンをかけてエアコンを点ける。



「優香と優太の親はな、駆け落ちをしたんだよ」



いきなり始まった話。

私は鞄を抱きながら、樹の肩に凭れる。



「付き合いは反対してない。
でも、まだ学生の2人が身籠った事に、100%、喜ぶ事が、保護者として出来なかった。
息子と嫁さんが亡くなった時も、どうしたら良いかわからず、今日まで来てしまって…申し訳なく思ってる」



「「…はぁ」」



返す言葉が見当たらず、私と優太は、ため息にも似た声を出した。