“早く終われ”と願う俺。

ーーガラッ



「失礼しま、す…」



突然、優香が入って来た。

優香は一瞬、躊躇いつつ、樹たちを睨みながら、俺に近付いて来た。



「これ、私の鞄に入ってたよ」



「あぁ、サンキュー;;」



優香に渡されたのは、“●●大学の教育学部”と書いた進路希望の用紙。

本当は1学期の終業式の日が提出日だったけど、忘れてたんだ。

なくなったと思ってたのに、今、このタイミングで出て来るとは…。

俺が空気を読めてないのか―…
それても優香が読めてなかったのか、謎―…。