氷で冷たくされたコーヒーを飲みながら、「日並にどう伝えるか迷ってて」と、鳥居に悩みを告げた。

鳥居は「転校生の事ね」と、赤ペンを持つ手を止めた。



「イケメンで若い先生は3人よ?
指輪をしても、効果はないと思うから、日並先生には口頭で注意だけ伝えて、利用じゃないけど、ターゲットになって貰ったら?
私たちは教師よ。誘惑に負けては許されない立場の人間。
校則に恋愛禁止の文字はない。確かに世間では禁止。けど恋は仕方ないのよ。
誘惑には負けるな、恋に負けろって、伝えるのね」



何とも鳥居らしくない返しに、俺は直球に、「旦那って、元教師?」と、伝えた。