俺は本を優香の鞄にしまい、前を向いた。

堅苦しい式が始まり、長い挨拶を終えると、さっきのメッセージを書いてた奥さんに質問の時間が設けられた。

“補償がなってない”とか、金や待遇についてばっか。

半ば呆れた時、優香が手を上げた。

“まさか”と思って止めようとしたが、奥さんが「中央の若い女性に」と言った為、マイク係の人を走らせた。

優香はマイクを断り、前へと進んで行く。

俺が黙ってついて行くと、優香は通路の途中で立ち止まり、「補償金とか良くない?あんたが話すのは、こんな話じゃないでしょ!」と、叫んだ。