当時のまま残されたバラバラの飛行機。

焦げた木々や草。

先に来てたらしい被災者の人と挨拶をしてから、優香と花を添えた。



「樹を連れて来るには、まだ早いよね…」



優香は辺りを見渡しながらしゃがみ、手を併せる。

俺は立ったまま、手を併せた。

…親父、母さん、元気か?

俺と優香は、豊嶋家の人たちのお陰で元気。

優香は彼氏の樹のお陰で笑顔も増えたよ。

豊嶋先生、覚えてるか?

その人なんだ。

お墓にも最近、行ってなくてごめんな。

今度、優香と行くよ。

樹も連れてく。

優香も紹介したいらしいからよろしくな。

待っててな?