春は回を重ねる度に上手くなる。



「ちょっ、私が最下位になるじゃない!!」



灯は画面を見ながら叫ぶ。

ガーターなしでも、球は最高で5本しか倒れてない。



「灯ちゃん、頑張ってや!」



「そうだぞ姉ちゃん!縁姉ちゃんより上手いし!」



春と保が励ますと、灯は「そうね」と躍起になる。

俺は隣に座る優香の髪を指ですき、「ふぁーっ…」と、豪快な欠伸をした。

優香がクスクスと笑いながら俺の膝に手を乗せた。

…可愛い…。

可愛すぎる!!

俺は抱き締めたい衝動に駆られた瞬間、「豊嶋先生じゃない?」と、聞こえた。