洗濯カゴを持ち、私はベランダへと出た。

夏の陽射しにダルさを感じながら洗濯物を干してると、樹が出て来た。

空き缶を片手に、窓に凭れながら煙草を吸ってる。



「今度、一緒にお墓に行こう?」



「ん。優香たちのご両親に挨拶に行くよ」



正直な話、お墓にお骨は入ってるけど、父親は右腕しか特定が出来なくて、父親が“ここに居る”とは感じれない。

けれど樹の気持ちが嬉しくて、私は笑って頷いた。

樹は満足そうな表情で煙草を消すと、部屋の中へと入って行く。

私は残りの洗濯物を干し終えると、樹に駆け寄り、デートの提案をした。