俺が優香を抱き締めようとすると、いきなり優太が「優香――ッ!」と叫んだ。

俺が舌打ちをしながら優香の肩から腕を退けると、「何?」と優太を見た。



「“仲直り”と言えば?
よく、俺らが喧嘩したら作ってくれたよな、母さん」



「シフォンケーキ!」



優香はソファーから立ち上がり、「縁ちゃん、一緒に作ろう!」と言う。

頷く縁と、灯と春を連れてキッチンへと行く優香。

リビングに残された野郎7人。

気まずい雰囲気に、保がソファーの下から何かを取り出した。



「こんな時こそ、エロ本だよ」



…ヤバいだろ。