「草介さん…縁ちゃんの事、真剣だったんですね」



「そりゃあそうだよ。あんな真っ直ぐで可愛い子、なかなか居ないよ。大切しないと罰が当たるよ。手離してもね(笑)」



草介さんがキッパリと言ったせいか、私は草介さんの笑顔につられて笑った。



「あ、指輪あります?見せて下さいよ」



「見せるだけね」



「嵌めませんよ。私は…樹からの指輪しか受け取らないって決めてますから」



草介さんが見せたのは、5カラットのダイヤの付いた、確実に高いであろう指輪。

綺麗に磨かれていて、私が反射して見える程だ。