10分ほどで着き、禁煙席に座る草介さんに頭を下げてから近寄った。



「浮気を誤魔化す相談ですか?」



私はブスッとした表情で、草介さんへ厭味を言った。

しかし、私の言葉に、草介さんはブンブンと、首がもげるんじゃないかと思う位、首を左右に振った。



「今日、一緒に歩いてたのは、同僚の…」



「瑠奈さん、ですよね?」



「……どうして優香ちゃんが?」



「樹の元カノなんですって…」



私はテーブルに手を突きながら、窓から行き交う人々を見た。

草介さんは「何か、優香ちゃんも嫌な気持ちにさせたね」と、頭を下げた。